by maughamsociety |
2015年 10月 29日
『人間の絆』を20回も読んだと言う林氏に対し、一度も読んだことがなかったと言う小野氏。 もっぱら林氏が語り、小野氏は聞き役である。 テキストは中野好夫訳(新潮文庫)。 林氏は、冒頭の「くらい灰色の朝が明けた。雲が重く垂れ下り、ひどく冷え冷えとして、雪にでもなりそうだった。」と最終行の「陽が、美しく輝いていた。」を挙げて、『人間の絆』は「朝は暗かったが、陽が出て明るくなった」という話であると言う。 だが、少年時代の肥満児としてのコンプレックス、ミルドレッドのような女性と付き合ったこと、株で失敗して借金を作ったことなど、林氏は正にフィリップそのものなのだそうだ。彼にとって、『人間の絆』は「青春のバイブル」だったようだ。 林氏が選んだ一節は、「生も無意味、死もまた無意味なのだ。フィリップは、かつて少年時代、神への信仰という重荷が、その肩から除かれた時、それこそ心の底からの喜びを感じたものだったが、今もまたその喜びに酔った。」(第106章)。 そして、最後のまとめは「人生の参考書」であった。 詳しくはこちら→林修が小野正嗣(芥川賞作家)に語る「人間の絆」
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| 2015-10-29 23:30
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